監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
建設業許可を取った後に、代表者や取締役などの役員が変わったときは、法務局での役員の変更登記とあわせて、県への変更届も出さなければなりません。登記を済ませただけで安心してしまい、変更届を忘れているケースがとても多いので注意が必要です。
特に、辞任する役員が経営業務の管理責任者だった場合は、許可そのものに影響します。このページでは、役員変更の場面ごとの期限、注意点、必要書類、忘れがちな重任登記について解説します。
場面ごとの提出期限
- 新しい役員が就任した・役員が辞任した・代表者が交代した30日以内
- 役員の常勤・非常勤が変わった、役員の氏名が変わった(結婚など)30日以内
- 役員の変更にともなって、経営業務の管理責任者が代わった2週間以内経営業務の管理責任者の変更は、役員変更より期限が短くなります。
- 役員の変更にともなって、営業所技術者が代わった2週間以内
期限は、変更があった日から数えます。登記の手続きが終わるのを待っていると期限を過ぎてしまうことがあるので、役員の変更が決まった段階で、変更届の準備も始めておくのが安心です。変更届の種類と期限の全体は建設業許可の変更届一覧にまとめています。
役員変更の前に確かめたいこと
辞任する役員が、経営業務の管理責任者ではありませんか
経営業務の管理責任者は「常勤の役員」であることが要件です。その人が辞任すると、要件を満たす後任の役員がいなければ、許可を続けられなくなります(後任がいないまま許可を持ち続けると、許可の取消しの対象です)。
後任の候補がいても、経験を書類で証明できなければ、役員にはなれても経営業務の管理責任者にはなれません。辞任の登記をする前に、後任が要件を満たし、書類もそろうかを必ず確かめてください。
- 営業所技術者を兼ねていた役員が辞任する役員を辞めても、会社に残って常勤するなら営業所技術者は続けられます営業所技術者は役員である必要がないためです。退職する場合は、2週間以内に後任の届出が必要です(営業所技術者がいなくなったら)。
- 新しい役員を迎える欠格要件にあたらないかを、就任の前に確かめる役員が欠格要件(破産して復権していない、拘禁刑以上の刑や建設業法違反などの罰金刑から5年たっていない、暴力団員である、など)にあたると、会社の許可が取消しの対象になります。くわしくは建設業許可要件【詳細】をご覧ください。
- 新しい役員が、ほかの会社の役員も兼ねている非常勤の役員としてなら問題ありませんただし、その人を経営業務の管理責任者にすることはできません(常勤であることが要件のため)。
経営業務の管理責任者の要件は経営業務の管理責任者の要件と証明書類、実際に常勤性が問題になった例は実際にあった建設業許可の取消し事例をご覧ください。
必要書類
役員の変更(就任・辞任・代表者の交代など)
- 届出書類
- 変更届出書、役員等の一覧表就任の場合は、誓約書と許可申請者の調書も必要です。
- 添付書類
- 履歴事項全部証明書就任の場合は、新しい役員の「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」も必要です。
- 取得先
- 登記されていないことの証明書:熊本地方法務局(本局)または東京法務局(郵送)身分証明書:本籍地の市町村役場登記されていないことの証明書は、法務局の支局・出張所では取れません。
経営業務の管理責任者の変更
- 届出書類
- 変更届出書、経営業務の管理責任者証明書、略歴書
- 添付書類
- 履歴事項全部証明書、経験を証明する書類、常勤であることを確認できる書類経験は、過去の建設業許可申請書・変更届・経営事項審査の書類で確認できない場合、工事の契約書・注文書・請求書などで証明します。常勤であることは、標準報酬決定通知書などで確認します。
役員の変更をともなわない場合(すでに役員の人が経営業務の管理責任者になる場合)は、こちらの書類だけを出します。
営業所技術者の変更
- 届出書類
- 変更届出書、営業所技術者等証明書
- 添付書類
- 資格証の写し、常勤であることを確認できる書類営業所技術者から外れるだけ(削除)の場合は、資格証は要りません。
忘れがちな「重任登記」
同じ人が役員を続ける(重任する)場合は、建設業許可の変更届は要りません。ただし、株式会社の役員には必ず任期があり、任期が来たら、同じ人が続ける場合でも重任の登記が必要です。
- 重任の登記を忘れて任期が切れたままだと、許可の更新の申請ができないことがあります
- 何年も忘れていると、会社に過料が科されることがあります
- 任期が切れていた期間は、登記の上で役員が空白の扱いになり、事情を説明する書類が必要になる場合があります
任期は定款で2年から10年の間で決められています。役員の変更をするときは、ほかの役員の任期もあわせて確かめておきましょう。任期に支障がなければ、定款で10年にしておくと忘れにくくなります。
ご自分で重任の手続きをしたい方向けに、自分で出来る株式会社役員重任手続きキットもご用意しています。
役員変更の手続きをお任せになりたい方へ
- 建設業許可の変更届の作成・提出は当事務所が行います。役員の変更登記は、提携の司法書士が担当します。
- 経営業務の管理責任者が辞任する予定がある場合は、辞任の前にご相談ください。後任の要件と書類を一緒に確かめます。
- お電話でのご相談:096-283-6000(ご相談は無料)
参考資料
- 熊本県「建設業許可の手びき」別添9「建設業許可変更届一覧表(PDF)」
- 建設業法 第11条・第29条、建設業法施行規則 第7条の2



