監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
電気工事を自社で施工するには、建設業許可とは別に、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」にもとづく電気工事業の登録が必要です。工事の金額にかかわらず、500万円未満の小さな電気工事でも、自社で施工するなら登録が必要です。
建設業許可を持っている会社は「みなし登録」という届出をすることになり、ここで出し忘れが多く見られます。このページでは、建設業許可と電気工事業登録の関係、4つの登録の区分、主任電気工事士、熊本県での手続きを解説します。
建設業許可と電気工事業登録は別の制度
電気工事を「請け負う」ための許可
- 根拠は建設業法
- 1件500万円以上の電気工事を請け負うときに必要
- 窓口は県の建設業の担当(監理課)
- 営業所技術者は、電気工事施工管理技士や電気工事士など
電気工事を「施工する」ための登録
- 根拠は電気工事業法
- 金額にかかわらず、自社で電気工事を施工するときに必要
- 窓口は県の消防保安課(受付の一部は熊本県電気工事業工業組合)
- 営業所ごとに主任電気工事士を置く
建設業許可の電気工事業を取っただけでは、電気工事を施工することはできません。反対に、電気工事業の登録だけでは、500万円以上の電気工事を請け負うことはできません。
どんなときに何が必要?
- 500万円未満の電気工事を、自社で施工する電気工事業の登録が必要(建設業許可は不要)
- 500万円以上の電気工事を、自社で施工する建設業許可(電気工事業)と、みなし登録の両方が必要
- 建設業許可(内装・建築など電気以外の業種)を持っていて、電気工事も自社で施工するみなし登録が必要建設業許可を持っていると、電気工事業法の通常の登録は受けられず、代わりにみなし登録の届出をします。
- 電気工事を請け負うが、施工はすべて下請に任せる自社の登録は不要。下請が登録業者である必要がある一部でも自社で施工するなら、自社の登録が必要です。
電球の交換や、コンセントに差し込むだけの機器の接続など、電気工事士の資格がいらない「軽微な工事」だけを行う場合は、登録は必要ありません。
電気工事業の4つの区分
建設業許可を持っているかどうかと、扱う電気工作物の種類で、手続きが4つに分かれます。住宅や小さな店舗などの設備は「一般用電気工作物」、高圧で受電するビルや工場などの設備は「自家用電気工作物」です。
- 登録電気工事業者
- 建設業許可なし/一般用(と自家用)の工事知事の登録を受けます。有効期間は5年で、熊本県の手数料は新規22,000円・更新12,000円(熊本県収入証紙)です。有効期間を過ぎると新規の扱いになるので、満了日の2か月前から更新できます。
- みなし登録
- 建設業許可あり/一般用(と自家用)の工事「電気工事業開始届」を出します。手数料はかかりません。有効期間はなく、建設業許可に連動します。
- 通知電気工事業者
- 建設業許可なし/自家用の工事だけ事業を始める10日前までに「電気工事業開始通知」を出します。手数料はかかりません。
- みなし通知
- 建設業許可あり/自家用の工事だけ事業を始めた後、すみやかに通知を出します。手数料はかかりません。
熊本県では、令和6年4月から、登録・みなし登録の受付は熊本県電気工事業工業組合、通知や廃止の届出は県の消防保安課が窓口です。最新の書類と提出先は、県のページで確認してください(登録・みなし登録・通知・廃止など)。
主任電気工事士
登録電気工事業者とみなし登録の業者は、一般用電気工作物の工事を行う営業所ごとに、主任電気工事士を置かなければなりません。
- なれる人
- 第一種電気工事士、または第二種電気工事士の免状を取ってから3年以上の実務経験がある人第一種電気工事士は、定期講習の受講履歴の写しも必要です。
- 自家用の工事
- 作業できるのは、原則として第一種電気工事士600V以下で使う設備の簡単な工事(簡易電気工事)は、認定電気工事従事者も作業できます。
電気工事は、内装や設備の工事のついでに、見よう見まねでできるものではありません。資格のない人が電気工事を行うと、電気工事士法違反になります。
建設業許可(電気工事業)の営業所技術者
500万円以上の電気工事を請け負うための建設業許可(電気工事業)では、次のような人が営業所技術者になれます。
- 1級・2級電気工事施工管理技士
- 第一種電気工事士
- 第二種電気工事士で、免状を取ってから3年以上の実務経験がある人
- 電気主任技術者(第一種〜第三種)で、免状を取ってから5年以上の実務経験がある人
- 技術士(電気電子部門など)
- 指定学科を卒業して3年または5年以上の実務経験、または10年以上の実務経験がある人
ただし、電気工事士の資格がなければできない工事の経験は、資格を持って従事した期間しか実務経験として数えられません。くわしくは営業所技術者(旧:専任技術者)や取れる業種の診断をご覧ください。
電気工事施工管理技士の資格で建設業許可は取れても、主任電気工事士がいなければ、みなし登録ができず、自社で施工できません。許可を取るときは、主任電気工事士になれる人がいるかもあわせて確かめておきましょう。
よくある出し忘れ
- 建設業許可を取ったが、みなし登録を出していない許可の通知が届いたら、すぐに電気工事業開始届を出すそれまで登録電気工事業者だった場合は、登録の廃止の手続きも必要になることがあります。
- 建設業許可を更新したのに、電気工事業の届出をしていない許可番号や許可の日付が変わったら、変更の届出が必要営業所・主任電気工事士・役員などが変わったときも、変更の届出が必要です。
- 主任電気工事士が退職した代わりの主任電気工事士を置き、届け出る主任電気工事士がいない状態では、一般用の電気工事を施工できません。
当事務所にも、みなし登録の出し忘れや、建設業許可の更新後の届出漏れについてのご相談が寄せられています。建設業許可と電気工事業登録は窓口も別なので、どちらか一方だけで手続きが終わったと思い込まないよう注意しましょう。
電気工事業の許可・登録でお困りの方へ
- 建設業許可(電気工事業)の取得と、みなし登録の届出を、まとめてご相談いただけます。今の資格で何ができるかから確かめます。
- 建設業許可の29業種一覧と工事例:電気工事業に入る工事
- 取れる業種の診断:資格から取れる業種を確かめる
- お電話でのご相談:096-283-6000(ご相談・要件チェックは無料)



