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経営業務の管理責任者の要件と証明書類

監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:

建設業許可の要件の中で、いちばん大切といわれるのが「経営業務の管理責任者」です。建設業の経営経験がある人が、法人なら常勤の役員として、個人なら事業主本人(または登記された支配人)として、最低1人いなければ許可は受けられません。

このページでは、経営業務の管理責任者になれる人、経験の数え方、熊本県での証明書類、よくあるつまずきを解説します。

経営業務の管理責任者になれる人

  • 法人の場合常勤の役員のうち1人役員とは、株式会社・有限会社の取締役、合同会社・合資会社・合名会社の業務を執行する社員、一般社団法人・協同組合などの理事です。監査役は含まれません。
  • 個人事業の場合事業主本人、または支配人のうち1人支配人は、支配人登記簿に登記されている人に限ります。

「常勤」とは、休日などを除いて、一定の計画のもとに毎日、決まった時間その仕事に就いていることです。ほかの会社の役員・社員として常勤している人は、経営業務の管理責任者になれません。

必要な経験(5年以上)

次のどれかの立場で、建設業の経営に5年(60か月)以上携わった経験が必要です。令和2年10月の法改正で、以前の「同じ業種なら5年・ほかの業種なら7年」という区別はなくなり、建設業であれば業種を問わず5年で認められます。

  • 建設業を営む法人の役員
  • 建設業の個人事業主、または登記された支配人
  • 支店長・営業所長など、請負契約を結ぶ権限を任された人
  • 役員に次ぐ立場(執行役員など)で、経営業務を執行する権限を任された人(個別に審査されます)

このほか、役員に次ぐ立場で6年以上経営を補佐した経験がある場合や、建設業の役員経験が2年以上ある人に、財務管理・労務管理・業務運営の経験者を補佐としてつける「体制」で認められる方法もあります。くわしくは建設業許可要件【詳細】、経営業務の管理責任者に準ずる地位とは、補佐経験で経営業務管理責任者の申請をした事例をご覧ください。

経験の証明書類(熊本県)

経験は、書類で証明できて初めて認められます。経験した立場によって、そろえる書類が違います。

会社の役員としての経験

登記と請求書で証明

  • 履歴事項全部証明書(役員の期間が5年以上確認できるもの。解散した会社なら閉鎖事項証明書)
  • その期間に建設業を営んでいたことがわかる請求書を、1年に1枚、合計6枚
個人事業主としての経験

確定申告書と請求書で証明

  • 5年分の確定申告書の第一表(1年1枚、合計5枚)
  • その期間の請求書を、1年に1枚、合計6枚
  • 請求書は、工事名がきちんと入っていて、請負であることがわかるものが必要です。満5年以上を示すため、5枚ではなく6枚必要です。月はそろえてください。
  • 請求書と請求書の間が1年を超えている場合は使えません(間に別の請求書をはさむ必要があります)。
  • 建設業許可を持っていた会社での役員経験なら、その会社の許可の書類で証明できる場合があります。くわしくは過去の許可で経管の証明をすることは出来るのか?をご覧ください。

必要な書類は、建設業許可の必要書類で、申請する方の区分(法人・個人)ごとに確認できます。

「人工(にんく)」の請求書は、経験として認められません

個人事業主の方は、常用・応援・手伝いといった「人工」の請求書が多いことがあります。これは人を出しただけで工事を請け負ったものではないため、建設業の経営経験の証明には使えません。工事名が入った、請負の請求書が必要です。

常勤であることの確認

法人の経営業務の管理責任者は、申請する会社に常勤していることも確認されます。主に、年金事務所から届く「標準報酬決定通知書」で、その人がこの会社の健康保険・厚生年金保険に入っていることを確かめます。

健康保険・厚生年金保険 被保険者標準報酬決定通知書の見本
健康保険・厚生年金保険 被保険者標準報酬決定通知書確認する場所
  1. 1会社名・所在地が、申請する会社と同じか
  2. 2経営業務の管理責任者・営業所技術者の名前が載っているか
  3. 3年金事務所からの通知であること
経営業務の管理責任者・営業所技術者が、この会社に常勤していることの確認に使う書類です(社会保険の加入状況を示す書類ではありません)。

※ 見本は架空の内容です。実物とは配置や項目が少し異なる場合があります。画像を押すと大きく表示されます。

ほかに使える書類は常勤性の確認書類で解説しています。

よくあるつまずき

  • 経営の経験は長いが、昔の請求書が残っていない取引先に控えが残っていないか、ほかの年の書類で証明できないかを確かめます直近5年で証明できない場合は、さらにさかのぼって証明することもできます。
  • 個人事業から会社にしたばかり個人事業時代の経験と会社の役員としての経験を合わせて数えられます個人事業時代の分は、確定申告書の第一表と請求書で証明します。
  • 独立して1〜2年目だが、前の会社では部長だった部長の経験が「補佐の経験」と認められれば、個人事業主の期間と合わせて通算6年で申請できる可能性があります登記された役員ではない部長の経験は、原則として経営経験に入りません。ただし、役員のすぐ下の立場で、資金の調達や技術者の配置、下請との契約など経営全般を補佐していた場合は、補佐の経験として認められることがあります。たとえば部長として3年なら、個人事業主として3年の経験を積んだ時点で、通算6年として申請を検討できます。証明には前の会社の組織図や辞令などが必要なので、前の会社の協力が欠かせません(経営業務の管理責任者に準ずる地位とは)。
  • 経営業務の管理責任者になる役員が、ほかの会社にも勤めている常勤と認められず、要件を満たせません
  • 許可を取った後に、経営業務の管理責任者が退職する後任がいないと、許可の取消しの対象になります交代は2週間以内に届け出が必要です。実際の例は実際にあった建設業許可の取消し事例をご覧ください。

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