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施工体制台帳とは?

監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:

施工体制台帳は、ひとつの工事に、どの下請業者が、どの部分を、どんな技術者・作業員で施工しているかをまとめた台帳です。元請が現場の施工体制をきちんと把握し、手抜き工事や丸投げ(一括下請負)、社会保険の未加入などを防ぐために、建設業法で作成が義務づけられています(建設業法第24条の8)。

このページでは、作成が必要な工事、記載する内容、施工体系図や再下請負通知との関係、保存期間を、元請・下請それぞれの立場から解説します。金額は令和7年2月1日からのものです。

作成が必要な工事

  • 民間工事元請として、下請に出す合計が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の工事この規模の工事を元請で請けられるのは特定建設業者なので、民間工事で作成の義務があるのは、特定建設業の元請です。金額は税込で、下請契約が2つ以上あるときは合計で判断します。
  • 公共工事下請契約を結んだら、金額にかかわらず作成国や県・市町村が発注する工事では、一般建設業の元請でも、下請に出せば必ず作成し、その写しを発注者に提出します(公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第15条)。

作成の義務がない工事でも、元請が施工体制を管理するために、下請業者に施工体制台帳と同じ内容の書類(作業員名簿など)の提出を求めることはよくあります。

作成から保存までの流れ

  1. 元請が下請業者に知らせる

    作成が必要になったら、元請は下請業者に、元請の会社名と「さらに下に出すときは再下請負通知を出すこと」「通知を出す場所」を書面で知らせ、同じ内容を現場の見やすい場所に掲示します。

  2. 下請業者が再下請負通知を出す

    下請業者は、その工事をさらに下に出したら、二次下請の会社名・工事の内容・工期・技術者などを書いた「再下請負通知書」を元請に提出します。三次、四次と続く場合も同じです。

  3. 元請が施工体制台帳を作る

    自社の工事の内容と、すべての下請業者の情報を台帳にまとめ、契約書の写しなどを添付します。内容が変わったら、変わった日を書き添えて直します。

  4. 施工体系図を作って掲示する

    下請業者の施工の分担を一目でわかる図にまとめ、現場の見やすい場所に掲げます。

  5. 引渡しまで現場に備え置く

    施工体制台帳は、工事の目的物を引き渡すまで、現場ごとに備え置きます。発注者から求められたら見せなければなりません。

  6. 工事が終わったら保存する

    台帳の一部は帳簿に添付して保存し、施工体系図も保存します(下の「保存期間」をご覧ください)。

施工体制台帳に書く内容

元請の会社
許可を受けている業種、社会保険の加入状況
元請の工事
工事の名称・内容・工期、発注者、契約した日と営業所発注者の監督員・元請の現場代理人を置くときはその氏名、主任技術者または監理技術者の氏名・資格・専任かどうか、監理技術者補佐を置くときはその氏名と資格も書きます。
下請業者
会社名と住所、許可番号と許可業種、社会保険の加入状況
下請の工事
工事の名称・内容・工期、契約した日下請業者が置く主任技術者の氏名・資格・専任かどうか、現場代理人を置くときはその氏名も書きます。
作業員
氏名・生年月日・職種、社会保険の加入状況、建退共の加入の有無、安全衛生教育、資格いわゆる「作業員名簿」です。資格は、本人が希望しない場合は書かなくてかまいません。
外国人
特定技能(1号)の外国人・技能実習生が従事しているかどうか
添付する書類
元請・下請の契約書の写し、技術者の資格を証明する書類と雇用関係を証明する書類の写し など民間工事で、元請が直接結んだのではない下請契約(二次以下)の契約書の写しは、金額の部分を除いてかまいません。

国土交通省のホームページに、施工体制台帳・再下請負通知書・施工体系図の参考様式が掲載されています(国土交通省:施工体制台帳、施工体系図等)。

参考様式には「雇用管理責任者」を書く欄があります。雇用管理責任者は、建設労働者を雇う事業所ごとに選任するよう法律(建設労働者の雇用の改善等に関する法律第5条)で決められている人で、労働者の募集・採用・配置や、技能の向上、働く環境の整備を担当します。人事や労務を担当している人の名前を書くのが一般的です。

施工体系図

施工体系図は、元請を頂点に、どの下請業者がどの工事を担当しているかを、ツリーのような図で表したものです。元請の会社名、工事名・工期、発注者、元請の技術者の氏名と、下請業者ごとの会社名・代表者・許可番号・担当する工事の内容と工期・主任技術者の氏名などを書きます。

  • 民間工事工事関係者が見やすい場所に掲示
  • 公共工事工事関係者と、一般の人(公衆)が見やすい場所に掲示現場の仮囲いの外側など、通りがかりの人からも見える場所に掲げるのが一般的です。

工事が進んで下請業者が入れ替わったら、施工体系図もその都度直して、いま施工している業者がわかるようにしておきます。

備え置き・保存期間

施工体制台帳
工事の目的物を引き渡すまで、現場ごとに備え置く施工体系図の掲示も、引き渡すまで続けます。
帳簿と一緒に保存
引き渡しから5年間(発注者から直接請け負った住宅の新築工事は10年間)施工体制台帳のうち、技術者の氏名や下請業者の名前・工事の内容などの部分は、営業所の帳簿に添付して保存します。
施工体系図
引き渡しから10年間発注者から直接請け負った工事の施工体系図は、営業所で保存します。

帳簿の内容と保存のしかたは備付帳簿の義務をご覧ください。

下請業者として気をつけること

  • 元請から施工体制台帳の作成の通知があった現場で、工事をさらに下に出したら、再下請負通知書を元請に提出します。提出しないと、元請が台帳を作れません。
  • 作業員名簿や社会保険の加入状況、技術者の資格証の写しなどの提出を求められます。日ごろから、作業員の資格や保険の加入状況を整理しておくとスムーズです。
  • 下請業者も、許可業者であれば現場に主任技術者を置く必要があり、台帳にはその氏名と資格が載ります(工事現場に配置する技術者)。
  • 社会保険に加入していない業者は、元請から現場への入場を断られることがあります(社会保険加入について)。

元請・下請の書類でお困りの方へ

  • 特定建設業の許可の取得や、元請として必要になる書類・帳簿の整え方を、工事の内容をうかがってご案内します。
  • 元請業者の義務:下請との契約・支払いの決まり
  • 工事現場に配置する技術者:主任技術者・監理技術者の決まり
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