監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
個人事業主として建設業許可を持っている方が亡くなった場合、その許可は、家族がそのまま引き継げるわけではありません。引き継ぐには、亡くなった日から30日以内に「相続の認可」を申請する必要があります(建設業法第17条の3)。期限が短いうえ、引き継ぐ人が許可の要件を満たしていなければ認められません。
このページでは、相続の認可のしくみと期限、引き継ぐための条件、間に合わない・要件を満たせない場合の扱い、そして今のうちにできる備えを解説します。
相続の認可のしくみ
- 申請する人
- 建設業を引き継ぐ相続人相続人が2人以上いる場合は、全員の同意で、建設業を引き継ぐ1人を決めます。
- 期限
- 事業主が亡くなった日から30日以内通夜・葬儀や役所の手続きと重なる時期なので、とても短く感じる期限です。
- 申請中の許可
- 申請していれば、結果が出るまで許可は続く30日以内に申請すれば、亡くなった日から認可の結果が出るまでの間、亡くなった方の許可は相続人の許可とみなされ、工事を続けられます。
- 引き継ぐもの
- 許可を受けている業種の全部一部の業種だけを引き継ぐことはできません。許可番号はそのまま使い、経営事項審査の結果なども引き継ぎます。
- 有効期間
- 承継の日の翌日から、新しく5年亡くなった方の許可の残りの期間は引き継がず、数え直します。
引き継ぐ人が満たす要件
相続の認可は、新しく許可を取るときと同じように、引き継ぐ相続人が許可の要件を満たしているかを審査します。
- 経営業務の管理責任者相続人本人(または支配人)に、建設業の経営の経験が必要いちばんの壁になる要件です。事業を手伝ってきた配偶者や子が、確定申告書に事業専従者として記載され、事業主を補佐してきた経験が6年以上あれば、それで認められることがあります(経営業務の管理責任者(経管)に準ずる地位とは)。
- 営業所技術者資格か実務経験のある人が、営業所に常勤していること亡くなった事業主が営業所技術者を兼ねていた場合は、相続人本人か、従業員の中に要件を満たす人が必要です。
- そのほか財産的基礎・社会保険・欠格要件相続直後の財務の状況や常勤を確かめる書類がすぐに出せない場合は、相続の後すみやかに提出することもあります。
主な書類
新規の許可申請とほぼ同じ書類に加えて、相続ならではの次の書類が必要です。
- 相続の認可申請書
- 亡くなった事業主との続柄がわかる戸籍謄本など
- ほかに相続人がいる場合は、その全員が、申請する人が建設業を続けることに同意する書面
- 引き継ぐ人の経営経験や、営業所技術者の要件・常勤を確かめる書類
30日の間に戸籍をそろえ、ほかの相続人の同意を取り、要件の書類を整えるのは簡単ではありません。亡くなった直後から動き出す必要があります。
間に合わない・要件を満たせない場合
- 30日を過ぎた
- 相続の認可は受けられない引き継ぐ人が要件を満たしていれば、新しく許可を取り直すことになります。新規の手数料がかかり、許可番号も変わり、許可が下りるまでは500万円以上の工事を請けられません。
- 要件を満たせない
- 許可は引き継げず、廃業届を出す事業主が亡くなったときは、相続人が30日以内に廃業届を出します(建設業許可の変更届一覧)。
今のうちにできる備え
個人の許可は、事業主ひとりに結びついています。万一のときに事業を止めないためには、元気なうちの備えが大切です。
- 家族が事業を手伝っている確定申告で、事業専従者として申告しておく専従者として事業主を補佐してきた期間が、将来その人が経営業務の管理責任者になるための経験になります。
- 後継者がいる会社にして、後継者を取締役に入れておく会社の許可は会社に結びついているので、代表者が亡くなっても、要件を満たす役員がいれば許可は続きます。後継者を取締役にしておけば、5年後には経営業務の管理責任者になれます(会社設立をして建設業許可申請をするメリット、建設業の法人成り)。
- 資格を持つ人がいない家族や従業員に、資格を取ってもらう営業所技術者を事業主が兼ねている場合は、ほかにも要件を満たす人を育てておくと安心です。
会社(法人)の代表者が亡くなった場合は
会社の許可は会社のものなので、相続の認可はいりません。ただし、亡くなった代表者が経営業務の管理責任者や営業所技術者だった場合は、2週間以内に後任の届出が必要です。後任がいなければ、許可の取消しの対象になります(役員変更の変更届)。
事業の引き継ぎでお困りの方へ
- 事業主が亡くなられた場合は、30日の期限があります。まずはお電話ください。引き継ぐ方が要件を満たせるかを確かめ、書類の取り寄せから申請まで急いで進めます。
- 将来に向けた備え(専従者の申告、法人成り、後継者の役員就任)のご相談も承ります。
- 建設業許可は個人と法人どちらで取る?
- お電話でのご相談:096-283-6000(ご相談は無料)



